GRM Daily
GRM Daily(Grime and Rap Music Daily)は2009年創設の英国アーバン音楽メディアで、当サイト台帳では登録者約671万人、総再生約83.7億回、公開動画約1.6万本を擁する英国最大級の音楽プラットフォームである[1][2]。Daily DuppyやRated Awards、GRM Galaなどを軸に、Stormzy・Dave・Central CeeらUKラップ世代の登竜門として機能してきた[2][4]。一方でUKドリルを巡る当局の削除要請や検閲論争という構造的リスクも背景に抱える[8][9]。
規模と現在地
当サイト台帳(YouTube Data API)によれば、GRM Dailyの登録者は約671万人、総再生回数は約83.7億回、公開動画数は約1万5678本に達する[1]。これは英国発のアーバン音楽チャンネルとして最大級の規模で、報道でも「最も視聴されている英国アーバン音楽チャンネル」と位置づけられてきた[2]。2022年3月に登録者500万人を超えたと報じられており、その後も着実に拡大している[3]。なお台帳上の日次再生増(daily_view_gain)は0と記録されており、これは集計タイミングによる暫定値と見られ、長期の総量規模とは区別して捉える必要がある[1]。
成長の構造
GRM Dailyは2009年、Koby「Posty」Hagan、Matt「Sketchy」Thorne、Pierre Godson-Amamooの3名により「Grime Daily」として始まり、UK新興アーティストの音楽映像を日々アップロードする形で空白を埋めた[2]。2012年に「Grime and Rap Music」を意味するGRM Dailyへと改称している[2]。成長を支えたのが2013年頃に始まったフリースタイル企画「Daily Duppy」で、累計200本以上が公開され、NinesやCentral Ceeの回が全英Top40入りするなど単発企画を超えた文化的影響力を持つに至った[4]。DiggaDの回が約2080万回を記録するなど、個別動画も高い再生を集める[5]。創設者Haganはロンドン・エンフィールド出身で、大学で法律を学びながら立ち上げたと報じられている[2]。
事業ポートフォリオ
事業はYouTubeチャンネル単体にとどまらない。Music Weekによれば、GRM Dailyの「ユニバース」はYouTube・ウェブサイト・Daily Duppy・年次のRated Awards・著名人が集うGRM Gala・ParlophoneとのレーベルパートナーシップやApple Musicのラジオ番組までを含む[4][5]。新興アーティスト発掘の枠として「GRM Premieres」も立ち上げたとされる[4]。Rated Awardsは過去にChannel 4で生中継された実績もあり、メディアとしての発信力を備える[7]。多角化により、単なる動画配信からブランド・イベント・音源事業を横断する複合メディアへと展開していると整理できる[5]。
直近の動き
2025年8月、GRM Dailyは恒例の「GRM Gala」を開催し、UKアーバン音楽の関係者を集めて黒人文化の功績を祝う場となったと報じられた[6]。会場は西ロンドンのThe Hurlingham Clubで、チャリティの要素も伴ったとされる[6]。2025年9月のRated Awardsでは、Headie OneがBest Breakthrough、D Double EがGRM Legacy Award(BBC Radio 1Xtra協賛)を受けたと報じられた[7]。創設者Haganは2024年のMusic Weekで、UKラップの現状を「これまでで最も実り豊か」と評し、新人への包摂と支援の必要性に言及している[4]。
論点とリスク
GRM Dailyが扱うUKドリルは、当局による削除要請と検閲を巡る論争の渦中にある。報道によれば、ロンドン警視庁は2021年1月から2023年10月にかけ682件のドリル楽曲の削除要請を行い、その多くがYouTube宛てだったとされる[8]。電子フロンティア財団(EFF)は、警察とYouTubeの連携が表現の自由や privacy の権利を損ないうると指摘した[8]。Index on Censorshipも2025年に「ドリルへの戦争」として、削除や警察の対応を批判的に論じている[9]。プラットフォーム側に直接の非があるという報道ではないものの、主力ジャンルが規制圧力に晒される構造は、収益基盤やコンテンツ供給における外部リスクとして留意される[8][9]。
注目ポイント
GRM Dailyの強みは、発掘から表彰・イベント・音源までを一気通貫で押さえる「文化のインフラ」化にある。BBCの取材でHaganは同社を黒人英国音楽の「核であり中心」と表現しており、世代をまたぐ求心力が持続性の源泉と見られる[10]。今後の観点としては、(1)Daily Duppyに次ぐ定番フォーマットの創出、(2)Parlophone・Apple Musicなど外部との提携深化、(3)ドリルを巡る規制環境への対応、の3点が成長の分岐になると考えられる[4][5][8]。台帳の総再生83.7億回という蓄積は、短期の数値変動を超えたブランド資産として評価できる[1]。
出典 10件
- アマノメ台帳(YouTube Data API)GRM Daily チャンネル実数 (2026-06-19)
- Wikipedia / GRM Daily (2025)
- Music Ally / Black British music brand GRM Daily has 5m YouTube subscribers (2022-03-29)
- Music Week / GRM Daily founder Koby Post Hagan surveys the state of UK rap (2024-07-09)
- Music Week / Exclusive digital cover: Koby Post Hagan on the GRM Daily empire (2024)
- Voice Online / The 2025 GRM Gala delivers another sublime spectacle (2025-08-20)
- VERSUS / Here Are all The Winners from the GRM Daily Rated Awards (2025-09-11)
- Electronic Frontier Foundation / How YouTube’s Partnership with London’s Police Force is Censoring UK Drill Music (2022-08)
- Index on Censorship / The war on drill (2025-01)
- BBC Newsbeat / GRM Daily is the core and centre of black British music, says its founder (2020-10)
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