
テレビをつけたら名探偵をやっていて、ふと「コナンみたいな本格推理を、AIで完全オリジナルから作れないかな」と思って作ったのが、今回の「ARCANA -アルカナ-」第1話「月の涙」です。かわいい名探偵と、かっこいい怪盗を一本に詰め込みたかった。既存作品のパクリにはしたくなかったので、世界観もキャラも全部ゼロから組みました。
同じようにAIで物語ものを作りたい人向けに、今回つまずいた所と、その解決のコツを正直に書いておきます。
INDEX — 目次
使った道具
画像(キャラクターシートやタイトル)は gpt-image-2。動画は Runway の中で使えるサードパーティ製のAI動画モデル「Seedance」で全カット生成しました。結合・テロップ・ロゴ焼き込みは ffmpeg です。AIで素材を作って、自分の手で編集して仕上げる、というハイブリッドのやり方です。
コツ1:キャラの顔が毎カット変わる問題
AIで一番つらいのが、カットごとに顔も服も別人になること。これは「先にキャラクターシート(三面図)を作って、それを動画側のキャラクターリファレンスに登録する」で一気に解決しました。ココもアルカナも、まず gpt-image-2 で全身の設定画を作って、それを毎カットの参照に渡しています。おかげで30カット以上あっても同じ顔・同じ衣装を保てました。


コツ2:パクリにしないための線引き
有名な探偵・怪盗モノが好きだからこそ、骨格からずらしました。主人公は縮んだ高校生ではなく等身大の少女探偵ココ。怪盗は白いタキシードにシルクハットではなく、銀髪に藍色のロングコートと三日月のマスク、タロットの予告状。舞台も実在都市ではなく架空の港町・霧ヶ崎にしています。プロンプトでは人物に必ず「日本人の顔・NOT Western」と書いて、顔が西洋寄りにドリフトするのも抑えました。
コツ3:日本語をちゃんと喋らせる
セリフを漢字のまま渡すと、AIが平気で読み間違えます。実際「月の涙(つきのなみだ)」が「なみと」、「サファイア」が「サファイト」になりました。対策は、ひらがな+ローマ字の発音ガイドで、モーラ(音の単位)を区切って書くこと。たとえば涙は「な・み・だ(na-mi-da)」と指定すると、ぐっと正確になります。
コツ4:テンポは「同じクリップを隣に置かない」
長い1カットをそのまま並べるとダルいし、かといって1本のクリップを細切れにして連続で並べると、同じカメラの動きが分断されてカクついて見えます。これは「隣り合うカットは必ず別のクリップにする」だけで一気に解消しました。アニメっぽいテンポは、寄りと引き、別アングルを交互に切り返すのがコツです。
プロンプト、一部公開します
怪盗アルカナの“正典”ブロックと、登場シーンのプロンプトです。キャラの見た目を固定したい時は、こうやって否定形(NOTで何を着ないか)まで書き切ると安定します。
[Arcana / canon]
an elegant silver-haired JAPANESE phantom thief in a deep indigo long tailcoat with a high collar, black gloves and a crescent-moon half-mask, holding a tarot card. Authentic Japanese face, NOT Western. NOT a white tuxedo, NOT a top hat.
[Entrance scene]
In a dark museum hall the lights flicker and black out, smoke drifts. Arcana appears from the shadows in a confident pose, close-up on the mask. He says: konbanwa. tsuki ga kirei na yoru desu ne.

仕上げ
生成した30カット超を起承転結のテンポに並べ替えて、ロゴと「ぜんぶ自分名義」のスタッフロールまで焼き込みました。本編は約3分40秒、日本語フルボイスです。続編が見たい、ココ推し、アルカナかっこいい、次は誰が犯人? 感想もらえると次が早く出ます。チャンネルはこちら:YouTube @amanojak2024
映像は Runway 内のサードパーティ製モデル Seedance で生成したフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。



